皇室の御代替わりや国民祭典で最近はテレビもネットも賑やかですね。
我が家では、と言うか私の実家は長年神道信仰です。
なので私も何となくずっと神道信仰でした。
幼い頃になぜ仏教じゃないの?と父親に聞いたら「お宮参りは神社でしょ、初詣も神社でしょ、七五三も神社でしょ。だからうちは神道だよ」との事。
そーなんだーと何となく思いながら私も初詣に巫女さんのバイトをしてみたり(笑)
結婚式も娘二人のお宮参りも七五三も神社で行いました。
ただ、今までは神道と言う言葉面だけペロンペロンと舐めてるような感覚であまり深く考えた事はありませんでした。
(クリスマスもハロウィンも散々楽しんでるし)
ハッキリと神道信仰とはこういう事なのかなと考えたのは、先日祖父が亡くなった事がきっかけでした。
- そりゃあお葬式も神式だよね
- おじいちゃんに烏帽子と笏(しゃく)
- お葬式なのに「お祭り」
- そうかおじいちゃんは神様になったのか
- 日本には八百万の神様がいる
- 色んな神様ありがとう
- 自分がいつか死ぬ時も神式で見送って欲しい
そりゃあお葬式も神式だよね
それまで、お葬式=仏教だと勝手に思っていた私は、お葬式にはお坊さんが来て、お経を唱えてご焼香をして、そのあとはお仏壇にお線香を供えると言うイメージしかありませんでした。
でも、よくよく考えたら私の実家が神道信仰なのだから、祖父の葬儀も神式で行われるわけです。
神道信仰だとか思っていたものの神式でのお見送りはこれが初めて。
私が今までイメージしていた物とは全く違いました。
おじいちゃんに烏帽子と笏(しゃく)
亡くなったおじいちゃんを納棺する時に驚いたのが、おじいちゃんが笏(しゃく)を持っていた事。
聖徳太子の肖像画で、手に持ってる木の板。あれが笏(しゃく)です。
調べて見たところ、もとは中国の官人が使用していたものらしいですが今は神職の正装として手に持っているらしいです。
そして、納棺の際に頭に被せたのは三角の布(天冠)では無くて烏帽子。
着物は経帷子では無くて白い小袖。
なるほど、着るものからして違うのかぁ。と
昔、親戚のおじさんが亡くなった時は仏式だったので、色々違ってびっくりしました。
お葬式なのに「お祭り」
83歳で亡くなった私のおじいちゃん。
おじいちゃんを見送るためのお式は全部「お祭り」です。
通夜祭(お通夜)、遷霊祭(魂を抜く儀式)、葬場祭(お葬式)。
そして初七日法要では無くて十日祭。
四十九日法要では無くて五十日祭。
ホントにおじいちゃんを送る儀式は全部「お祭り」でした。
ちなみに神式は戒名では無く諡(おくりな)と言うらしくお値段で格式が変わるとかでは無いようです。
卒塔婆には「〇〇翁命(おきなのみこと)」と書かれていました。わぁ、竹取物語みたい。
何だか、お葬式だと言うのに全然悲壮感が無いなぁと言うのが正直な感想でした。
そうかおじいちゃんは神様になったのか
お線香では無くて玉串とお米をお供えして、お経では無く祝詞を上げる。
儀式に全部「お祭り」と付くし「何だかおじいちゃん神様みたい」なんて思って( ゚д゚)ハッ!としました。
そうか、おじいちゃんは神様になったんだ!と。
調べてみた所、神道のお葬式は「神様に任された魂をお返しするもの」で、亡くなったら守護神として家族を守って貰うために祀るのだそうです。
仏教は輪廻転生で生まれ変わりますが、神道では、おじいちゃんは神様として常にそこに居てずっと家族を見守ってくれる存在になります。
だから、お別れでは無いんですね。
おじいちゃんは神様になったから。
肉体の死はあっても完全なお別れじゃない。
だからあんまり寂しく無いんだなあとなんだか納得しました。
仏教、神道、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教ほかにも色々、信仰それぞれに死生観もそれぞれですね。
日本には八百万の神様がいる
昔から日本には八百万の神様が居ると言われています。
お米一粒にも八人の神様が居るし、トイレにもお風呂にも台所にも神様が居るし、雨にも風にも、山にも、葉っぱ一枚にも全てに神様が宿っていて、人間だって動物だって亡くなったら守護神になってみんなを見守ってくれる。
八百万の神様って、もう森羅万象そのもの(仏教用語ですが^^;)なんだなぁと思ったら、それはそれは素敵な事じゃないかと改めて感じました。
色んな神様ありがとう
昔、とある神主さんが「神道って自然崇拝なんですよね。世の中の色んな神様ありがとう、御先祖様ありがとうって思う気持ちが神道の本質です。皆さんの1番身近な御先祖様はご両親やお爺様おばあ様ですよ」って感じの事を仰っていたのを思い出して、何だかしっくり来ました。
今回、祖父を神式で見送って初めて八百万の神様がこんなにも身近なものなんだとしみじみと感じました。
そして改めて長年神道を信仰してきた日本と言う国の成り立ちが好きになりました。
自分がいつか死ぬ時も神式で見送って欲しい
今回祖父を見送って(お祭りして?)改めて、私もいつか死ぬ時は子供たちには神式で見送って欲しいと思いました。
生まれ変わって別の誰かになるよりも、守護神として愛する2人の娘と孫、そしてその子孫を見守って居る方が私にはあって居そうだからです(笑)
もちろん、娘が「結婚式はチャペルでやりたい!」と言えば全然反対しませんし(むしろ自分もグアムで挙げようとしてた)、これからもクリスマスもハロウィンも楽しみます(笑)
でもね、誰に言うでも無くこっそりそんな死生観を持っていてもいいんじゃないかと思った次第です。
自分のエンディングノートにはちゃんと神式でよろしくね!と書いておこうと思います(笑)